【目からウロコ!】七田式教育の代表 七田厚が語る幼児教育「その時、父は…」第7回 七田 厚

子供の好奇心

わが家は、小・中学生の時、平日に行われる参観日には父(七田眞:七田式教育創始者*)が来て、たまに日曜日に行われる参観日には母が来るという家でした。

 

「どうして、うちは、普通の家と違うのだろう?」と思っていたものですが、当時は、共働きの家が少なかったんでしょうね。

当時、母は保育士としてフルタイムで働いており、父は家にいて夕方から英語の塾をしていましたから、平日の日中の時間は自由だったのです。

 

そんなわが家でしたが、ある日、父がふと見ると、当時まだ1歳の私が、母の鏡台の前に座って、化粧水のビンを手に取り、逆さにして、ひたすら振っていたそうです。

 

その時、父はどうしたでしょう?

童業(わらべわざ)なのだから・・・

「あぁ、これは童業(わらべわざ)というもので、悪気があってやっているのではないのだから、止めさせずに、気が済むまでさせておこう。」と考えたそうです。

 

私の好奇心の芽を摘み取りたくなかったんでしょうね。それにしても、じゅうたんにもしみ込んで、大変なことになっていたでしょうに…。

 

そのことを、私はもちろん覚えてはいませんが、今にして思えば、きっと、ビンの中からいくらでも出て来るし、しずくがキラキラして楽しかったのでしょう。結局、化粧水の中身を全部振り尽くしてしまったようです。

 

このとき、「こらっ、何やってるの~!」と大声をあげてとび出して行き、手からビンを取り上げていたら、どうなっていたでしょう? おそらく私は、その剣幕にびっくりして、泣き出していたことでしょう。

危ないのなら、問答無用!

父は、それは別に危険なことをしているわけじゃないから、放っておこうと考えたのですが、もし、やかんを置いてお湯を沸かせるタイプの石油ストーブを触ろうとしていたのなら、「危ない!」と叫びながらあわてて近寄り、抱き上げていたはずです。

 

幼い子供が何かやらかしている時、まず、それが「危険じゃないか?」ということを見て、そして、「わざとやっているのか?そうじゃないのか?」ということを見極めましょう。

 

赤ちゃんが歩き始めるようになると、そこら中、手の届くものには、何でも興味を持ち、触ろうとします。だから、子供の手が届かないように、その対応策として、何でも上へ上へとものを置くようになりますよね。子供って、本来、好奇心旺盛なんです。

 

うちの娘は、名前が書けるようになったころ、うれしくて、一日に何度も名前を書いている時期がありました。

ある時、文具を入れている引き出しを開けると、そこに、油性のマジックで彼女の名前が書かれていたのにはまいりましたが、父と同様、私もしかることはしませんでした。

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七田眞:七田式教育創始者
現在では、世界14か国に広がる「七田式教育」創始者。著書は200冊を超える。