右脳に働く機能【共振共鳴とイメージ】について

七田式創始者である七田眞は、右脳には特徴的な4つの機能があると提唱し、それは、七田式教育の根幹をなすことの一つです。

1. 共振共鳴機能
2. イメージ化機能
3. 高速大量記憶機能
4. 高速自動処理機能
の4つです。

今回は、「共振共鳴機能」と「イメージ化機能」について考えてみましょう。

「共振共鳴機能」とは、右脳の基本的な機能であり、すべてのものの根元は、目に見えない粒子で波動を発しているということから、私たちが一つの対象に心を向けることにより、右脳は、その対象が発する固有波動に同調して、それが情報となって伝わってくるというものです。
そして、その波動情報をイメージ化機能によって、イメージに変換して、自覚できるようにしてくれるのです。

七田式の取り組みには、子供から大人まで行っていただく特徴的な取り組みが数多くありますが、この共振共鳴機能とイメージ化機能を養う、あるいは活用するものには次のようなものがあります。

たとえば、記号や絵が描かれたトランプ大のカードを裏面から、何が描いているかを感じ取るといった、カードの波動情報を読み取る取り組みがあります。
これは、まず目を閉じて心を落ち着け、その後、深い呼吸を繰り返してから行います。そして、自分が手にするカードを裏から見ても何か描かれているかがわかるといったイメージを行ないます。まるで、イメージの中でリハーサルを行うようなことです。
そして、目を開けて、実際のカードを裏側から眺めて、見えてくるイメージを感じる、あるいは、触った感覚を感じてみるといったものです。
この取り組みは、子供の年齢によって取り組み方も少しずつ異なります。
大人の場合は、上記のような方法で楽しんでいただきます。
さらに、このような共振共鳴機能とイメージ化機能を活用する右脳の取り組みには、波動読み®というものがあります。これは本を手にして、目を閉じて、深い呼吸を繰り返し、右脳の機能が働きやすい身的、心的状態になり、手にしている本の波動情報を読み取るといったものです。これは本に書かれた文字を読む、いわゆる読書とは違い、本そのものが持っている全体情報をイメージとしてキャッチするというものです。
海外ではHADO Reading®として親しまれている取り組みの一つです。
このような右脳の共振共鳴機能を活かすための基本は、イメージする力、すなわちイメージ力にかかっています。
いくら対象となるカードや本が発している情報をキャッチしても、その情報が何かがわからなくては、右脳の機能が十分に活かされているとはいえません。
そこで、イメージ力が、そのカギを握るのです。

では、2番目のイメージ化機能について考えてみましょう。
共振共鳴した情報をイメージに変えて理解する機能がイメージ化機能です。
私たちの脳は、想像と現実を区別しないと考えられています。現実で起こったこともイメージで想像したことも同じ刺激として伝わります。
イメージには私たちが通常働かせている五感と同じように、イメージの中の五感があり、七田式では、これを右脳の五感と呼びます。
たとえば、「黄色くて紡錘形をしていて、酸っぱい味がするもの」といえば、誰でもすぐ“レモン”を思い浮かべることができるでしょう。
そのレモンを真っ二つに切ります。そして、その半分のレモンをちょっとかじってみましょう。
いかがですか?とっても酸っぱい感じが口に広がり、レモンの匂いも感じはじめませんか?これは、匂うや味わうといったイメージの感覚です。
私たちは、実際にレモンを手にして見たとき、かじったときには、その刺激が神経細胞を通じて、脳内のさまざまなところに伝わり視覚に関わる部位を興奮させます。
そして、これとは別の領域にある脳細胞には、レモンの味を記憶する部位もあり、さらにレモンを手に持った感触を伝える部位もあります。レモンに関する刺激が脳のさまざまな部位にプリントされるようなものです。
そして、それらの情報は、レモンが目の前になくても、イメージとして引き出すことができるのです。

他にも、たとえば、「雀の涙」「さじを投げる」「猿も木から落ちる」といったことも比較的想像しやすいのではないでしょうか。
私たち人間は、80%の人は視覚でものごとを捉えるといわれます。
ここに書いた比喩表現は、本人さえそのつもりになれば、その情景がイメージとして浮かびやすいものが多いと思います。そして、わざわざ目を閉じなくても、この文章を読みながらでも、ちょっと思うだけで、目を開けたままでも十分、「猿も木から落ちる」をイメージ(想像)できるのではないでしょうか。
目を閉じて見るものばかりがイメージではなく、その情景が想像できる感覚になっていただくことは、右脳のイメージ力がなせる技です。
いかがでしょうか。
このような想像できること、すなわちイメージできることは、私たちが意識することもあまりない何でもない当たり前のことのように思えませんか。
このように実際にはそこにないもの、見たり聞いたりしていないものでもイメージは感覚として伝えてくれるのです。
イメージは、このように決して難しいものではないことをまずは理解することが大切です。
そのうえで、リラックス、集中し、イメージトレーニングによる、意識のコントロールを身につけると、私たちは左脳意識から右脳意識へスイッチを切り替えることができ、イメージを感じる感覚が研ぎ澄まされ、先のカードや本からの情報もキャッチ(共振共鳴)したときに伝わってくるものが何かをイメージ化することができるのです。
皆さまからよくいだだくご質問のひとつに「イメージトレーニングを続けていますが、イメージがよく見えません。」ということがあります。
イメージが見える感覚というのは、特に大人の方の場合は個人差があります。
イメージトレーニングは、必ずしもイメージがはっきりと見えなくてはダメと思わなくても結構です。イメージがはっきりと見える、自覚できることが大切ではありますが、先ほどの「レモン」や「猿も木から落ちる」のような想像の感覚で十分ですから、継続的にトレーニングをすることをお勧めしています。そのような脳の回路作りが大切なのです。
毎日の生活の中で、夜寝る前の時間は、必ずイメージトレーニングをする、あるいは、出勤前の時間は必ずトレーニングをしてみるなど、歯磨き感覚で習慣付けて日々続けることを心がけましょう。
イメージが見える感覚は、このような「想像の繰り返し」により身につけていただけるものです。
はっきりとしたイメージを感じる感覚は、イメージトレーニングをしている最中にわかる場合もあれば、イメージトレーニングが終わり、覚醒した後に「今日は、とても集中できて、イメージができたな」、あるいは、「今、眠っていたような気がするけど、はっきりと映像が見えていた気がするな」などと、さまざまな感覚がわかっていただけます。このようなことの繰り返しによりイメージの世界に没頭している状態になっていただけます。
イメージがはっきりと感じられないということ自体は、トレーニングの妨げとなるものではなく、そのことに捉われ過ぎる意識のほうが妨げとなります。
イメージというと、何かとても難しく感じ、高いところに置いてしまいがちですが、「イメージ」は日本語で言うところの「想像」です。右脳を働かせるためには、リラックスして、集中して、視覚化(イメージ=想像)することの繰り返しが大切です。
また、イメージする時には、その結果に対して「私には必ずできる。その力が私の潜在能力にはある。」と確信を持ち、その事が既に達成された様子をイメージするのです。
今回は、右脳の特徴的な機能のうち、共振共鳴機能とイメージ化機能について考えてみました。

では、最後に・・・、

もう一度「レモン」をかじってみましょう(笑)