【目からウロコ!】七田式教育の代表 七田厚が語る幼児教育「その時、父は…」第17回 七田 厚

年末休みの過ごし方

私が子供の時の父の印象は、仕事をしているか、本を読んでいるか、洋画を見ているかでした。

自宅で英語塾を開いていた父は、私たちきょうだいが家にいる時間帯が仕事の時間帯で、土・日は休みでないどころか、逆に、仕事が始まるのが早かったのです。

そのころ、父の仕事が休みだったのは、祝日か5週目、そして年末年始ぐらいのものでした。

その数少ないお休みの日をどう過ごすかは子供たちにとっても大きな関心事で、マイカーの無いわが家でも、たまには、行楽地に連れて行ってもらっていましたが…

年末はどう過ごしていたでしょう?

家族で楽しく大掃除

毎年、12月30日のお昼まで仕事をしていて、午後から、墓掃除に行き、家の大掃除をして、お正月を迎える準備をしていました。その大掃除では子供たちの出番もあり、小学生のころ、障子の張り替えを手伝ったことを思い出します。

普段は、「障子を破らないように」と注意を促されるわけですが、この時ばかりは「破って欲しい」と言われるのですから、とっても楽しい時間でした!

もちろん、ただ破るだけではなく、湿らせた雑巾を使って、残った紙を上手にはがしていかなければなりません。そして、糊をつけ、貼るところまで親子で作業をしたのは、楽しい思い出です。

そして、それを父とやっていたからこそ、今でもわが家の障子紙を新しくしたい時は、ホームセンターで材料を買って来て、自分で張り替えることができるのです。

経験がなければ、業者さんにお願いするしかありません。(その方が、きれいにできますが…)

うちの子たちにも、その作業を手伝わせたことがありますが、何も遊園地に連れて行くだけが思い出作りなのではなく、こういう家事を、家族で楽しく協力してするのも、いい思い出になります。この「楽しく」というのが、子供に手伝ってもらうときのキーワードです

子供をほめて、家事の戦力に!

ちなみに、父ではなく母の言葉ですが、「掃除機をかけるのは厚さんが一番うまい!」「タオルをたたませたら、厚さんの右に出る者はいない」などと言われて育ち、もちろん悪い気はしませんでしたし、本当にそうだと、ずっと信じていました。

うちの子供たちが皆、小学生になったころ、やっと、「あれは、もしかしたら…」と、母の作戦に気づいた私です(笑)。

でも、今でも、私はタオルをたたむのはとってもうまいと思っていますから、親の言葉というのは、影響力がありますね!

ぜひ、お子様の年齢に合ったお手伝いをいろいろさせてあげて、大掃除を楽しいイベントにしてしまいましょう

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七田眞:七田式教育創始者
現在では、世界14か国に広がる「七田式教育」創始者。著書は200冊を超える。