【目からウロコ!】七田式教育の代表 七田厚が語る幼児教育「その時、父は…」第12回 七田 厚

夏休みの研究の思い出

夏休みの一人一研究、長男が小1の時には、「コップで音階」というのをやりました。

百均のお店でガラスのコップをたくさん買って来て、水の量を少しずつ変えて音階を作るのですが、中の水にしょうゆを混ぜたり、違うコップに移し替えたりしたら、どうなるだろうと予測したり…。

小2の年は家内にお任せで、小3の年は、「カレーライスに挑戦!」というテーマで息子と一緒にカレーを作り、できていく過程を写真に撮って模造紙にまとめたのですが、思えば、あれがきっかけで、長男は多少、料理をするようになったのかもしれません。

さて、私が中学生の時の話です。中2の夏休みが始まると、早速、父(七田眞:七田式教育創始者*)は私を呼んで、意外なことを提案しました。

中2の時、父のした提案とは…?

クラスでいちばん英語ができなかった父

それは、記憶の研究をしてみないか、という提案でした。

「き、きおく~?!」というのが、私の率直な反応だったと思います。きっと、目を丸くして、「ど、どうやってするの~?」というリアクショアンだったのではないでしょうか(笑)

父は、「お父さんは終戦後、高校に編入した時、クラスで英語がいちばんできなかったから、このままではダメだ!と一念発起して、夏休みに『英単語を毎日70語覚える』という目標を立てて、それを実行したんだ。」と言いました。

それで、2学期にはクラスで英語がいちばんできるようになったそうなのですが、私も翌年は高校受験が控えているし、父は、「いずれ覚えなくちゃいけない英単語を、この夏休みの半分の20日間、1日50語ずつ覚えることにチャレンジしてみないか!」と言ったのです。

そういう話を、私は内心、「1日50単語も~?!」と、ビビりながら聞いていたと思うのですが、実際、父の言うとおりやってみたら、できちゃったんですよね。まぁ、父は1日70単語の体験者だったわけですから、説得力はありました。

同じことを4回繰り返す「400%学習」で完璧に!

私の場合は、確か名詞ばっかり1000語を覚えたと思うのですが、初日に50語覚えたら、翌日、次の50語を覚え始める前に、初日の50語を復習します。そして、何語覚えているかを記録するのです。

そして3日目には、同様に初日の50語が何語わかるかということと、2日目の50語をどれだけ覚えているかを記録し、また復習します。そんな感じで、結局、同じ50の単語群を、どれも4日ずつかけて完璧にしていくんです。

私自身が実験台となった、この「記憶の研究」の結果、確かに全部覚えたはずの翌日に、もう一度やってみると、結構、忘れていました。それで、また復習をして翌日チェックすると、また忘れている単語があるという具合でした。

それで、念押しにもう一度復習して、計4回学ぶと、ほぼ定着するという結果が出たんです! 実はこのことが、「七田式幼児プリント」の「400%学習」の原点になっているんですけどね。

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七田眞:七田式教育創始者
現在では、世界14か国に広がる「七田式教育」創始者。著書は200冊を超える。