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脳のヒミツ 2016.12.20

感情をコントロールする心の正体。人間力を高める最新科学

感情と心の関係

私たちは、小さな子供のころから、自分の感情をコントロールすることの大切さを学んできました。

感情には喜怒哀楽という基本的な感情があり、物事や人に対しての好き嫌いといった感情もありますが、感情の赴くままにすべての行動を起こしてしまうと、社会的な生活にも支障を来してしまうことがあるかもしれません。

 

そのようなことを、私たちは子供のころからの教育や道徳によって、感情をコントロールして、理性的にふるまうことを学んで身につけてきました。

私たちが感情を抑制すべきものと感じさせているのは、妬み、嫉み、恨み、憎しみなどといったマイナスの感情に対することが多く、もしも自分に関わる人が、心にマイナスの感情を抱いていた場合、私たちの脳は、その感情を感じ取り、いやな感じがすることが多いものです。

一方で、愛おしみ、慈しみ、誇りなどといったプラスの感情もあります。これらの感情は、私たちの心を穏やかで、明るく豊かにしてくれるものです。

脳の神経細胞、ニューロンの働き

人間の脳には、全体で1000億個以上のニューロンと呼ばれる神経細胞があります。

このニューロンの働きにより、学習や記憶、そして私たちの心や感情といった精神的な活動も司どっています。人間独特の精神的な活動がニューロンの働きによるものだということがわかったのは、19世紀後半以降のさまざまな研究によるものだといわれています。

三位一体の脳の科学

ところで、脳の見方には、アメリカの神経生理学者ポール・マクリーン氏が提唱した、3つの脳(大脳新皮質大脳辺縁系脳幹)が協調して作業しているという、「三位一体の脳」というものがあります。

そのうち大脳辺縁系は、本能や欲望、喜怒哀楽の感情が生まれ、脳幹は、脊髄の上にあり呼吸や血液循環などの働きに関係する生命脳であり、ここからさまざまなホルモンを出して、全身の状態をコントロールしています。

 

この「三位一体の脳」の説を元に、脳と教育についての研究を進めていらっしゃる九州大学名誉教授の井口潔氏は、著書『ヒトの教育』の中で、人間の精神の成長、人格の確立について次のように述べておられます。

「生得的(遺伝的)精神機能は人間の進化の過程での「古い脳」(大脳辺縁系)において幼年期までに仕上げられ、習得的知能は主に「新しい脳」(前頭連合野)において、思春期以後に機能を始め、このようにして予めプログラミングされた順序に従い、そのプログラムに沿った環境刺激によって、感性・知性は育てられ、互いに協調・調整されて人格をつくり、ヒトは人間になるのです。」

心の成長が人間力を高める

さらに井口氏は、「身体の生得的性質は乳幼児期から学童、成人となる過程は漸進的・連続的で、質的に大きく変わることはない一方で、心の場合は生得的資質のニューロン回路は生まれたときは未熟であり、養育・保育・教育環境の刺激を受けて、幼年期までに「基礎的ニューロン回路」を仕上げて心の基本をつくり、さらに知識等を習得して成人式のころまでに人格をまとめる」と、いわれています。

このことは、すなわち私たちの心の成長過程を示すことともいえるものでしょう。

 

また、心というものは、その使い方によっては、年齢よりも早く老化することもあれば、成熟するにつれて若くなることもあり、個人差が際立っているものなのです。

 

しちだでは、能力開発に臨む際に、テクニック的なスキルアップ以上に、心を育てることを大切にしています。「心を育てる」とはすなわち、人間力を高める、自身のエネルギーを高めるというものです。最後にそのための十か条を紹介しましょう。

心を育てる10カ条

①親切(人に親切にする)

人に対して親切にすることを心がけると、その人の持つ波動が非常に高くなります。

そして、その波動に似合う物事が起こってきます。

 

②謙虚(謙虚な心を忘れない)

すべての人は仲間だということを理解し、共に学ぼうとする姿勢が大切です。

謙虚な人は、非常にソフトで清廉なエネルギーを持っています。

 

③素直(素直な気持ちで生きる)

天真爛漫に微笑む赤ちゃんのような無邪気さを持つと、高い波動になっていきます。

疑いやためらいを捨て、物事に対して、無心で素直に取り組む姿勢が大切です。

 

④感謝(常に感謝の心を持つ)

自分が生かされていることへの感謝、周りへの感謝に目を向けてみることです。

感謝の念は、清らかなエネルギーです。まずは、自分が毎日生かされていることに深く感謝しましょう。

 

⑤思いやり(周囲への心配りを持つ)

自分ひとりのことを考えるのではなく、常に周りの人の気持ちを汲みとり、その人の身になって考え行動していると、自然に感謝や親愛のエネルギーが高まります。

 

⑥いたわり(いたわりを持ってまわりに接する)

すべての人は、あなたにとって大切な、愛おしむべき存在です。

相手に対してあたたかいねぎらいの気持ちを忘れず、慈しみを持って接することを心がけましょう。

 

⑦明るさ(笑顔を心がける)

笑いは場の雰囲気を和ませ明るくします。人々の顔に笑顔が生まれると、その場所のエネルギーも上がります。

近年、笑いは免疫力を上げ、病気の治癒に役立つという研究結果もあるほどです。

 

⑧奉仕(無償の奉仕を行う)

自分の利益になることだけを追求するという生き方は、得な生き方になりません。

無私の心で人に尽くすこと、つまり徳を積むことです。徳を積むと、強い心が育ちます。

 

⑨幸せを分ける(自分の幸せを周囲と分かち合う)

ちょっとした気配りや感謝を表現し、周囲に幸せをおすそ分けできるように心がけましょう。

周りが幸せになれば、あなたも自動的に幸せになるものです。

 

⑩自分は幸運だと思う(何が起こってもラッキーだと思う)

自分は不幸だと思っていませんか?もし思っていたら、その考えを捨てましょう。そしてどんなことが起こっても、自分は幸運だと思うようにしましょう。

人生とは、あざなえる縄のようなものです。不幸と思っていたことが、幸運に変わるのです。

 

今回は、私たちの「心と脳」について考えてみました。

私たちは、出来事が起こると、その出来事について思考します。そして、その思考を心、感情で判断し、その判断を経て行動へと結びつけるものです。

これら一連のことは、私たちの脳の働きによるものなのです。

心の働きを知ることは、すなわち、私たちの脳をよりよく働かせることに通じるものなのです。

参考文献

『Newton 別冊 「心」はどこにあるのか 脳と心 脳の最新科学、そして心との関係』(株式会社ニュートンプレス)
『脳科学の教科書 こころ編』(理化学研究所 脳科学総合研究センター編/岩波書店)

この記事の編集者
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T.U

株式会社しちだ・教育研究所 大人向けの能力開発事業担当、セミナー講師

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